◇◇ 雪の女神 ポリアフ ◇◇   


ハワイ島、マウナケア山は標高4000mを超える高い山で、赤道に近いハワイでも雪が
降り積もります。
その昔、白いタパのマントを着た4人の雪の女神が住んでいました。
女神達の名は、リリノエ、ワイカウ、カホウポカネ、ポリアフ。
中でもポリアフはとても美しい女神でした。
冷静で、時に芯の強さを見せるポリアフ。
ポリアフにまつわるエピソードの一つに、火の女神ペレとの戦いがあります。

ある日ポリアフは、仲間と一緒にホルアと呼ばれるそり遊びに興じていました。
そこへ黒いマントを着た美しい女性が現れます。
ポリアフは黒いマントの女性を歓迎し、そりを貸し、一緒にホルアを楽しもうとします。
黒いマントの美女はペレ。
美しいポリアフに、ペレは敵対心をむき出しにします。
ペレは目をぎらぎらと輝かせ、黒いマントは赤く燃えるよう。
地面は徐々に揺れ始め、熱くなり、溶岩が流れ始めました。
そりですべり降りるポリアフの白いマントにも火が燃え移っています。
ポリアフはそりからとび降りマントの火を消し、そしてくるりと振り返ると、ペレをじっと
見据えました。
ポリアフがマントを広げると、マウナケア山頂には黒い雪雲が。
雪はとどまることなく降り続きました。
ペレが作った溶岩は、ポリアフが呼び寄せた雪で冷え、氷結し、冷たい岩となり、溶岩の
火口をふさいでしまいました。
それが現在のラウパホエホエの奇岩風景の起源です。
ペレは目の前で起きていることが信じられず、いつの間にかペレの姿は消えていました。

ポリアフとペレは幾度となく戦いを繰り返しますが、ポリアフの勝利に終わります。
マウナケア以南をペレが統治し、以北をポリアフが統治することで、二人の共存関係が続いたようです。