◇◇ ハワイアンキルト ◇◇

ハワイアンキルトの歴史は、1820年頃、ボストンの宣教師が布教の為に
ハワイを訪れたことに始まります。
当時、ハワイの人達は上半身が裸だったため、宣教師の妻達は、裸でいる
ことが罪であると教え、同時にキルトを教えたのです。
最初に伝えられたのはピーシングによるものでしたが、布を裁断する習慣が
なかったことから残り布や生地のバラエティも少なく、パッチワークの技法は
広まりませんでした。
次第に、自然をモチーフとした郷土色豊かな「ハワイアンキルト」として
発展していったのです。

木陰に干してあった白いシーツの上に映ったレフアの木の葉影が、あまりに
美しかったのでそれをキルトにした、というハワイアンキルトの伝説は、
キルターの間で最もよく知られています。

ハワイアンキルトのパターンはハワイの自然や文化を形にしたものが多く、
モチーフの一つ一つに意味があります。
例えば、パンの木は人気のあるパターンの一つです。
昔から貴重な食料源だったパンの木の葉は大きく、その木の高さは10mを
越すほど。
その姿にあやかって、「成長する」「豊かになる」と信じられてきたのです。

ハワイアンキルトの作者がなくなった時、残して欲しいと約束したもの以外は
その人が作ったキルトは全てを焼却しなければいけない といいます。
これは、キルトに「マナ」が宿るとされていたからです。